Ensemble ESCHUE

曲目紹介

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FRAGRANCE-β

 Ensemble ESCHUEのために書き下ろされた作品で、2002年のJMU中部マンドリンフェスティバル合同ステージで初演された。
 奇想曲風(カプリッチョ)に書かれており、タイトルとして「ファンタジア・カプリッチョ」「カプリッチョ02」などを考えていたとのことであるが、曲から引き起こされるβ波(緊張時・ストレス時に発せられる脳波)をイメージし、最終的には「FRAGRANCE-β」と名付けられた。
 氏の作品には「FRAGRANCE-α」というギター合奏曲があり、こちらは緊張感の中にも安らぎ(α波)を感じさせてくれるが、本曲は相当に緊張感(β波)に満ちたものである。
 曲は急-緩-急の三部構成となっており、最初の「急」部分はアウフタクトで始まるモチーフを多用する跳躍の激しいメロディーで示され、「緩」の部分は「静」に始まり「動」を経て再び「静」に戻る。最後の「急」は変拍子のモチーフを挟みながら、エネルギッシュなメロディーを繰り返し、一気に頂点に達する。
 技術的な手心は加えていないという氏の言葉通り、楽譜を見ただけでもβ波が発っせられる難曲であるが、昨今の「円熟」とは異なる「熱さ」と「若さ」に満ちた本曲はファンにはたまらない作品である。

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