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帰山栄治作品解説集

マンドリンオーケストラの為のちまた "CHIMATA"

編成 演奏時間
Mn1 Mn2 Ma Mc Ml Gt Cb 26分
演奏日時 備考 演奏団体
1985.12.12 初演 名大28回定演
1987 大阪大春演
明治学院大
1987.7.5 「帰山栄治 作曲の世界 その2」(一部)
2009.6.20 2008年改訂版 コンコルディア37回定演

本曲は名大ギタマンの委嘱により作曲され第28回定期演奏会で初演される。曲は1stと2ndによる美しく透き通るような二重奏で始まる。その旋律は一種日本的でノスタルジックな想いに浸されるようである。序奏の後、これまでの静けさとうってかわって不気味な三連符の刻みがチェロによって示され、ベース、ローネ、ドラ、2nd、1stが順次重なり、遂には全パートで音が刻まれる。この部分で象徴的なのは極めて機械的な三連符の刻みとそのリズムにのった半音階の音の移動であり、この曲を終始支配する。曲は再び静けさを取り戻し、7/4拍子の旋律がマンドリンによって奏でられ、徐々に盛り上がりを見せた後、各パートのソロにはいる。ソロの後、弾むようなリズムにのってクライマックスを迎える。この部分は12/8拍子を基本としながらもパートによって6/4、2/2拍子で演奏され、一瞬無秩序に聞こえるが、そのリズムは見事に調和し、まるで祭りのみこし担ぎを連想させるような賑やかさを演出している。

本曲において特徴的なのは1st、2nd、ドラ、ギター、チェロ、ベース、ローネの全パートにソロがあり、各ソロが単独で、時には重なり合いながら、曲を展開していく。tuttiの鮮烈な一撃の合間をぬって、マンドリン系楽器にうまくマッチしたzupf奏法によるソロが淡々と進むことによって、この曲の一つのテーマであるsoloとtuttiの対比が浮かび上がる。

特にマンドローネ2台による絡みには氏のマンドローネに対する並々ならぬ固執?と愛着がにじみ出ており、二章、三楽章第4番にならんでマンドローネソロの必聴版といえよう。

全体を通して感じられるのは極めて日本的という印象であり、日本人の感覚に根ざした音楽という氏の作風が顕著にあらわれている作品といえるだろう。

ちなみにこの "CHIMATA" という曲名は名大ギタマンの部内の新聞である "ちまた" にちなんでつけられたそうである。

(太田)




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