海の組曲

提供:酒井国作マンドリン作品解説集
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《海の組曲》は、イタリアのミラノで発刊されていたマンドリン誌イル・プレットロ主催の1908年作曲コンクールでマネンテの「メリアの平原にて」をおさえて一位に入賞した作品です。ギリシャ神話のなかで水に縁のある神々をイメージしたもので、イル・プレットロ誌には、各楽章ごとの作者の意図が次のように記されています。 第一楽章 (ナイアーデのセレナータ) Andante Grazioso 海に神秘の夜が来ました。静かな海は妖精の世界となり、ナイアーデたちは歓び勇んで飛び回っています。 第二楽章 (オンディーナの踊り) Allegretto オンディーナたちは踊ります。妖艶なその舞は魅惑と夢幻に満ちています。 第三楽章 (シレーナの唄) Andante 身の危うさも分からず船人たちは美しいシレーナの唄に迷い、深い安らかな眠りを貪ります。 第四楽章 (トリトーネのフーガ) Allegro vivace 舵のとれない船は激しい波にもまれ今や危機に瀕しています。トリトーネは海を鎮めながら船人たちを救うように貝を吹き鳴らしつつ右に左に駆け回ります。