マンドリンオーケストラの為の二章

提供:帰山栄治作品解説集
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編成 演奏時間
Mn1 Mn2 Ma Mc Ml Gt Cb マリンバ シロホン グロッケン 18分
演奏日時 備考 演奏団体
1980.6.28 初演 レム帰山栄治作品発表会その2 - 「マンドリンオーケストラの為の三章第2番」を改作
1982.12.6 名大25回定演
2001.6.23 コンコルディア29回定演

本曲は、1977年「マンドリンオーケストラの為の三章第二番」として作曲された曲を、1980年に大幅に改作して誕生したものである。

「三章第二番」は緩-急-緩の3つの章から成っていた。しかし、第一章と第三章が第二章と比べてアンバランスに長く、また第三章が単調なため曲が冗長なものであった。そこで、改作により第三章を削除し、残る二つの章をより厚くして冗長さを取り除き、かつマリンバやシロホンを加えることで曲をより色彩豊かにした。また、原作の特徴であったマンドローネの特性を生かしたオーケストレーションは、改作によりさらに強調されることとなった。

第一章

マリンバの導入を受けたffの強奏で曲は始まる。不気味に主題が提示され、各パートで変奏された後、特徴的なリズムが提示される。静かになると、三連符をバックに第2主題が現われ、変奏された後、マリンバの三連符に突入する。

後半では例のリズムとともに第1、第2両主題が入れ替わり激しく奏される。頂点に達すると、徐々に落ち着いて行き、消えるように終わる。

第二章

突然静けさが破られた後、主題がドラにより奏される。その後、マリンバが曲を盛り上げ、限界に達するとローネソロに入る。そして、16分音符のリズムと主題の変奏が様々に交錯し、激しさを増し、ついには地響きのように荒れ狂う。

一旦静まるが、すぐに16分や符点のリズム、主題の断片や下降音型が混ざり合い、激しいリズムが支配するクライマックスに達する。最後は、超音波のようなロングトーンやリズムで終わる。

非常に難解な曲だが、すぐれたローネ奏者がいる代にはぜひ勧めたい一曲である。

(加藤)




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